1990年代の日本は「女性の時代」として、多くの女性が注目を集めた時代でした。
特に肩書を持つキャリアウーマンたちが社会の象徴としてもてはやされ、一種のブームとも言える状況でした。
一方で、逆に見過ごされがちな視点も存在していたんです。
今回は、そんな時代の背景を振り返りつつ、私と仲間たちが挑戦した等身大のチャレンジ、「トータルキャリアネットワーク・ブルー」の活動についてご紹介させてください。
1990年代の日本社会と「女性の時代」
「キャリアウーマン」が象徴する時代
1990年代といえば、一流企業で活躍する「キャリアウーマン」がメディアで多く取り上げられました。
ドラマではバリバリと働く女性たちが描かれ、雑誌の表紙はキャリア志向のスタイルやライフスタイル特集であふれていました。
エグゼクティブなスーツをまとった女性が、この時代の象徴でしたね。
でも、この時代が「女性の時代」と呼ばれる一方で、スポットライトを浴びたのは一部のキャリアウーマンたちだけ。
肩書を持たない多くの女性たちの姿は、ほとんど語られることはなかったのです。
背景にあった男女雇用機会均等法
背景には、1986年に施行された男女雇用機会均等法があります。
この法律は、女性が労働市場で平等な機会を得るための重要な一歩となり、多くの女性が社会進出を果たしました。
さらに、1997年の改正では、女性が職場でさらに活躍しやすいよう環境が整えられました。
埋もれていく「普通の女性たち」
家庭で主婦として家族を支える女性や、会社で働くOLたちはどうだったでしょうか?
肩書や目立つ功績はないものの、やはり重要な役割を果たしていたのです。
ただ、こうした「普通の女性たち」は、その価値を評価されることはまずありませんでした。
社会全体が、ほんの一握りのキャリアウーマンに焦点を当てる中で、「普通の女性たち」はどこか影に追いやられ、まるで「時代遅れ」のような存在にされる風潮すら感じたものです。
「立場を越えてつながる仲間」を目指して
トータルキャリアネットワーク・ブルーの誕生
こうした状況の中で、立場を越えた女性たちが気軽につながれる「場」を作りたいと考え、活動を始めました。
空や海の色をイメージカラーに「トータルキャリアネットワーク・ブルー」と名付けたこの取り組みは、主婦やOL、子連れのママたちが気軽に立ち寄れる拠点を目指してスタートしました。
最初は、友人知人に一人ひとり声をかけて夢を語るおしゃべりから始めたんですよ。
「トータルキャリアネットワーク・ブルー」という名前のセンスはどうだったかな?、と振り返ることもありますが(笑)、「立場を越えて気軽につながりましょう」というメッセージは伝わっていたと思います。
セミナーから広がる活動の輪
活動の第一歩として、私たちは自分たちにできることを持ち寄り、セミナーをシリーズで展開しました。
セミナーをきっかけに出会った仲間たちと懇親会やイベントを企画し、商品開発やテレビ・ラジオの番組制作にも挑戦しました。
結果的に、こうした活動は「特別な取り組みをする女性たち」として新聞やテレビに注目され、全国ニュースや大手の新聞にも取り上げられることになりました。
ただ、私たち自身は、「肩書がないと輝けない」という風潮がある中で、「誰でも自分らしくいられる生き方」を目指していたつもりです。
それは社会的な立場や役割にとらわれず、「自分のできること」を「自分の置かれた環境でする」ことを目指していました。
仲間たちと分かち合った青春のような日々
当時一緒に活動した仲間たちは、今ではおばあちゃんの年齢になっている人も少なくありません。
実際、私も5人の孫がいる「本物のおばあちゃん」です。
それでも、あの頃の情熱や笑顔は今も鮮明に思い出されます。
みんなで協力し、何かを作り上げる喜びに満ちた日々は、私にとってかけがえのない青春だったと言えます。
女性の時代ともてはやされた1990年代。
肩書を持つ女性ばかりが注目されることに疑問を抱き、主婦やOL、子連れでも気軽に立ち寄れる事務所を設け、イベントやテレビ番組など企画実施しました。あの日の仲間たちも、今はおばあちゃんの年齢です。#シアワセの素 https://t.co/Djh9dVsY4N pic.twitter.com/1wfv50CeEb
— 山辺千賀子/やまべちかこ (@white7pearl) November 27, 2024
誰もが自分らしく生きられる社会へ
時代を超えた課題と希望
1990年代から時代は大きく変わり、女性の生き方や価値観も多様化しています。
当時と比べると、今では主婦としての生活も、キャリアを積む働き方も、どちらも尊重されるようになっています。
でも、「経済力」が重要視される現代では、新たな格差が生じているのも事実です。
この課題は、これからの社会の重要なテーマと言えるでしょう。
理想社会実現のためには、大きな旗振り役はもちろん大切です。
でも、私たち一人ひとりが、自分のできることを自分が置かれた環境で日々淡々と行っていく。
この積み重ねが、未来を変える最も確かな力だと信じています。
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