言葉のすれ違いに気づいたら?未然に防ぐのも楽しむのも大切にしたい視点

言葉が持つイメージの違いに驚くことがあります。

誰もが同じ日本語を話しているはずなのに、まったく違う風景や感覚を想像していることがありますね。

最近の冬空を見て思い出した、”言葉のすれ違い”

今日はそんなお話です。

言葉のすれ違いとは

私は雪国で育ったので、関東に住むようになってから冬の空の青さに驚きました。

雪国では、冬といえばどんよりとした灰色の空が当たり前。

ですが、関東の冬空は、驚くほど晴れ渡っている日が多いんですね。

言葉のイメージは住む場所でも変わる

「冬」といえば、皆さんはどんな光景を思い浮かべますか?

雪が降り積もる白い世界?

どんよりとした鉛色の空?

それとも、空気が澄み切った青空?

もちろん、どれも正解ですよね。

 

住む場所や体験によって、「冬」という言葉が持つイメージは大きく異なります。

私が育った北陸では、「冬」といえば雪かきや凍える寒さ。

雪がロマンチックなものという感覚は、無かったです。

白く輝く雪は、あっという間に泥まみれになって、コンクリートのように固まっていく。

歩くのも運転するのも気を使いながら、暮らす、それが冬なのです。

 

ですから冬に備える準備をするのは当たり前で、北陸は勤勉な人が多いと言われています。

着の身着のままでは暮らしていけない風土、これが気質を生むのかもしれません。

ところが、関東では冬は晴天が、空の青さに驚かされます。

ああ、なんて美しい青空!!

 

この空を見て育つのと、灰色の空を見て育つのでは、ちょっと感性が異なってしまうかも…。

やっぱりそう思っちゃいますね。

 

こんな風に、同じ「冬」という言葉でも、人によってイメージする景色や感覚が全然違うんでしょうね。

この空は続いているのに、見える景色は全然違う…なんだか不思議。

日常に潜むすれ違い

「冬の空」、北陸と関東の違いを私の主観でお伝えしましたが、こんな風な言葉のすれ違い、意外と日常生活にも潜んでいますね。

 

たとえば、「おしゃれなカフェに行こう!」と言ったとき、友達が思い浮かべるカフェと自分が想像しているカフェがまったく違った、なんてことありませんか?

自分はシンプルでシックなコーヒー専門店をイメージしていたけれど、友達はインスタ映えするデザートが豪華なカフェを考えていた、なんて具合です。

 

そうそう、「お手頃なランチ」という言葉もなかなか危険なすれ違いが生まれます。

 

千円未満の「お手頃」なのか、たまの贅沢ランチだから3千円くらいも「お手頃」なのか。

はたまた、一流レストランなのに、ランチなら1万円未満でも「お手頃」なのか‥‥。

ここはお付き合いが浅い時に、ちょっと気を使うポイントですよね。

 

また、仕事の場面で「すぐにやってほしい」という言葉が問題になることがあります。

「すぐ」と言われて、10分後をイメージする人もいれば、明日までの猶予を想像する人もいる。結果、期待していたスピード感が異なり、すれ違いが生まれることはよくあります。

言葉のすれ違いを防ぐには

こうしたすれ違いはどうやって防ぐことができるのでしょう?

何といっても、お互いの「言葉の背景」を想像することは大切ですよね。

 

例えば、関わる人に関心を寄せて、

「この人はどんな経験をしてきたのだろう?」

「どういう環境で育ったのだろう?」

などとちょっと想像してみるのです。

これは、いわばドラマで見かけるプロファイリングのようなものでしょう。

 

例えば、仕事の会話で「この提案、面白いですね!」と言われた場合、褒め言葉として受け取るか、慎重な批判の一歩手前と感じるかは相手次第ですよね。

相手がどんな環境でその言葉を使ってきたかを考えることで、できるだけ真意に近づこうと、皆さんも工夫していらっしゃると思います。

具体的な言葉を使うのも効果的

家族間でも「夕飯、何でもいいよ」と言うとき、文字通り「何でもいい」という意味の人と、「本当は何か特定の条件が前提にあるのに『何でもいいよ』と言っているだけ」という人の違いはありますよね。

ここでも、相手の背景や普段の習慣を推し量って、私達は、行き違いを防ぐ手助けにしているはずです。

 

「あっさり系がいいな」「麺類はいや」「肉ならなんでもいい」

このくらいの言葉は、家族であってもお互いに言葉を尽くしたいところです。

仕事では、より具体的な言葉を使うことは大切でしょう。

「すぐにやってほしい」ではなく、「16時までにやってほしい」と時間を明確にするだけで、相手との認識のズレを減らすことができますね。

言葉の違いを楽しむ視点

「空が青い!」と感動したら、居合わせた関東育ちの人に、意外そうな顔をされました。

「冬の空が青いなんて当たり前じゃない?」って、まさにそんな感じだったんです。

 


言葉のすれ違いって、こういう小さな体験の積み重ねから生まれるんだなと改めて実感しました。

 

こんなとき、お互いの言葉を掘り下げてみると、それぞれ自分の知らない世界の話が聞き出せるかもしれません。

 

日々の会話の中で、すれ違いに気づいたとき、それをただの違和感にとどめないで、違いを楽しむきっかけにする。

そんなコミュニケーションが、私たちの世界をなんだか面白くしてくれそうです。

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