休日の朝なのに、なぜか早く目が覚めてしまう――。
そんな日って、ありませんか。
「もう少し寝ていられるのに」と思いながらも、どこか清々しい気分が満ちている感じ。
私も、そんな朝を迎えるようになりました。
それは、長いあいだ忘れていた「自由」という感覚が戻ってきたからかもしれません。
忙しさのなかで失われていた「休日」
夫が地方議員を務めていたころ、私たちの暮らしには「休日」という言葉がほとんどありませんでした。
平日の日中は普通に仕事があり、夜間と土日は、行事や会議が続くのです。
年末年始やゴールデンウイークは、深夜や、早朝のイベントも増えますので、睡眠時間が削られました。
そんなタイミングには、夫はお酒の付き合いも増えます。
何と言いましょうか‥‥議員って、まさに“体力勝負”だと、つくづく思いました。
当選を望むなら365日フル活動
地方議員は、あちこちから会合や行事のご案内をいただきます。
地域性もあるのでしょうが、そうした行事にできるだけ顔を出すことが、選挙に強くなるためには欠かせない習慣でもありました。
顔を出す候補者と、顔を見せない候補者。
どちらが選挙に強いか——
言うまでもなく、これが「知名度」となっていくのです。
政治家としての本質的な活動に、関心をもってくださる方が少ない場合、なおさらその傾向は強まるでしょう。
……こういう傾向は、近年、薄れてきているかもしれません。
そうであってほしいと、心から思います。
そんなわけで、早朝からいきなり玄関チャイムが鳴ったり、深夜に電話がなったり……。
いつでも応じられるよう、心のどこかで身構えていたように思います。
そうした暮らしの中で、「休日」という響きは、どこか遠いものとなり、”休んでいる実感はない”状態が、いつしか日常になっていました。
引退後に訪れた、静かな朝の贈りもの
夫の議員引退をきっかけに、暮らしがしずかにスローダウンしました。
そして訪れた、休日の、静かな朝の贈りもの。
あれほど常に「待機中」モードでいたのが信じられないほど、暮らしに流れる空気が、まるで違って感じられるようになりました。
そして、改めて感じるのは——
休日の朝は、こんなにも穏やかで、明るくて、やさしいのだということです。
カレンダーの休日のほうが忙しかった日々が終わり、「休日」が、本当の休日になったのです。
最近、ゆっくりしてよいはずの休日の朝に、なぜか早く目が覚めるようになったのは……
それはたぶん、全身の細胞が”自由”を満喫しようとしているからかもしれません。
“ちゃんとしすぎない朝”がくれる自由
カーテン越しの光が、部屋いっぱいに広がっていく。
朝の空気に、心まで澄んでいくような気がします。
何もしなくても、すでに満たされている。
そんな朝です。
ノーメイクでも、ノーブラでも(笑)、誰も訪ねてこない。
「何もしなくてもいい自由」が、こんなに豊かなものだなんて。
“起きていてもいいし、また眠ってもいい”——そんなゆるい一日の始まりです。
心にはリセットが大切
自由を手にして初めて、自分が頑張っていたことにも気がつきました。
地方議員の多くは、議員本人はもちろん、妻の立場にも、かなりの頑張りが必要です。
無理をしていたつもりはなくても、ずっと“緊張の中”で暮らしていたことが、今ならわかります。
夫が議員を引退した直後は、実は私、朝、起きられなくなりました。
こんこんと眠り続ける日々が、しばらく続いたように思います。
いわゆる、伸ばし続けたゴムがゆるでしまったのかもしれません。
ゆるんだゴムは、もう元に戻らないのかと、ちょっぴり心配したくらいです。
社会の一部として、何かに応え続けてきた。
それが誇りでもあり、習慣でもあり、休むことを忘れる生き方でもありました。
今ようやく、「心のリセット」という言葉の意味を、実感しています。
予定のない朝ほど、心がやわらかく、静かに整っていく。
やっぱり「休日」は大切。
もっと自分に、ちゃんと休みをあたえてやればよかったなって思います。
何もしなくてもいい時間がくれる安らぎ。
これは、人生の深呼吸なのだと思います。
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自由だと思うと、朝の目覚めがいいですね。
「あれもしなきゃ、これもしなきゃ」と思っていると、心がまだまだ眠いと訴えてくる。
“ちゃんとしすぎない朝”が、いちばんの目覚ましかも。
🍃心の深呼吸 pic.twitter.com/hETGGJZfRg
— 山辺千賀子/やまべちかこ (@white7pearl) October 10, 2025
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