【シングルマザーの貧困】うちの食事が学校で話題になってしまった【体験談】

ひとり親家庭の生活は「貧困」と隣り合わせです。

これは、私がシングルマザーだった頃の食事のエピソードです。

闇鍋ならぬ、闇カレー

これは、ひとり親家庭の方なら、「あるある」メニューかもしれません。

記事内容

  1. シングルマザーの貧困な食事
  2. 笑えなかった食のエピソード

【シングルマザーの貧困】楽しい食事に闇カレー

息子の発言、授業でウケる!

当時、小学生だった息子の教室で、ある日、カレーが話題になりました。

 

先生が

「カレーには何が入っていますか?」

と質問すると、子どもたちは

「はーい、ジャガイモ!」

「肉でーす」

「玉ねぎ」

「にんじん!」

と次々と具材を答えていたそうです。

そうです、それでいいんです。

 

でも、うちの息子は違いました。

「はーい、こんにゃくです!」

「厚揚げ」

「高野豆腐」

「キャベツも」

 

息子の答えにクラス中が爆笑だったそう。

「えーそんなの入ってないよ!」

「すげー」

「変わってる~!」

「なんだそれ~⁈」

とざわついたのです。

 

息子は帰宅すると「うけた!」と笑いながら私に報告してくれました。

「うちだけだったよ」と。

ちょっと誇らしげにすら見えました。

 

でも、ひとり親である私は、血の気が失せました。

ああ、私のせいで、息子が笑いものになってしまうのではないか。

今日はお友達にうけたかもしれないけど、先生には、我が家の実情が生々しく伝わってしまっただろうなって。

お友達も、家に帰って親に話したら、きっとわかりますよね。

 

「あいつんち、変わってるー、ビンボーなんだよ」

「お母さんしかいない母子家庭なんだって」

「だからカレーに変なもん、入れるんだな」

 

そんな話になったらどうしましょう。

ビンボーと、ズボラ―が、世間中に知られてしまう。

「母子家庭」のリアルが晒されてしまう…。

 

息子が楽しそうに話すのを聞きながら、私の心情は

よよよよよ・・・。

泣き崩れてしまいたいほどでした。

買い物に行く時間もお金も体力もない

仕事と家事に追われ、買い物にも行けず、冷蔵庫にあるものをかき集めてどうにか作る、そんな日はいくらでもありました。

当時、私はシングルマザーで、実家の近くにアパートを借りて息子と二人暮らしをしていたのです。

 

実家は4人の高齢者。

認知症になってしまった母と、手術を繰り返し、身障者となっていく父。

生まれつき身障者の父の妹、車椅子から寝たきりとなっていく高齢の祖母。

 

ついでに言えば、私も子どもの頃から体力がなく病弱でひ弱。

当時も、立ち仕事などには全く適していませんでした。

こんな状況ですから、私は、時間の自由がきく「請け負い仕事」で生計を立てるしかなく、家にいても常に仕事をしている状態でした。

 

ネット環境なんてありませんし、書類は手書きでまとめたものをワープロ仕上げしてたかな。

 

元地元テレビ局のニュースキャスター、フリーランスとして活動!

と、言えば聞こえはいいのですが、実態はそんなものでした。

 

ですから、毎日、緊急事態発生し放題。

救急車にも何度乗ったか…でも、もう、遠い日のことです。

実家の「高齢者4人」は、全員、見送っています。

 

CHIKAKO
では、「闇カレー」について解説しま~す。

 

「何でもカレーに入れる」闇カレー

一人息子が、小学3,4年生の頃だったでしょうか。

当時、我が家の定番メニューだったのが「何でもカレーに入れる」闇カレーです。

 

本来、闇鍋って、具材に何が入っているか、あてて楽しむ食卓のこと。

いいじゃないですか。
ねえ。

 

闇鍋は、普通は入れない具材を持ち寄り、暗闇で食して楽しむものですが、我が家は子どもと二人の食卓ですもの。

カレーなら、わざわざ暗闇にしなくても、カレー、一色なので、何が入っているかあてっこして、楽しみながら食事ができます。

楽しい食卓にもってこいです。

 

でも必要に迫られて、やむなくそうした場合は、結構こころ苦しいんですよ。

ホント、なんでも入れました。
覚えてないくらい。

意外とイケたのが、息子が声高らかに授業で発表した、こんにゃくと厚揚げでした。

 

母子家庭、父子家庭の方なら、よくご存知のこととと思います。

カレーが、いかに救世主かということは。

 

ルーは買い置きがきくし、特売になっているし。

具は、・・・・・・・・・ジャガイモ、人参など、根菜は日持ちするところが最高です!

 

肉?

肉はあればいいけど…、無くてもいいんじゃないですか。

なんでも入れときゃ、味はカレーになるんです。

 

CHIKAKO
次は、こんな環境が息子に与えた影響です。

 

貧困のシングルマザー、食事で子どもに与えた影響は

学校から帰ってくると、ランドセルを放り出して、友達と遊ぶために駆け出していく。

これが、あるべき小学生男子の姿でしょう。

 

「ちょっと待ったー!!」

「この洗濯もの、この片づけもの、この料理、この洗い物」

 

「あなたがしないことは、お母さんが一人でするしかないのよ!」

「これ、誰がするのよ、助けてよ!」

「たすけてーーー!!」

当時、小学生だった息子は、今でいうヤングケアラーだったのでしょうか。

実家の4人の高齢者にも、手がかかることを知っている息子は、私を助けることが、毎日の責務でした。

 

息子は、自分が母親を助けるしかないと、よくわかっていました。

4人の高齢者には手助けが必要だということも、よく知っていました。

 

その結果、息子は学年でトップクラスで、「家庭科」ができる生徒として、もちろん他の多くの女子よりもよい成績で、みんなの知るところとなりました。

 

CHIKAKO
当時のことを振り返り、息子から、「そういえば、お母さんの口癖、『発狂しそうだ』だったね」と言われました。

子どもの世界観に、家庭が与えるものは大きい

授業参観などで他の生徒のお母さんに会うと

「ああ、〇〇君のお母さんですね。うちの子が親切にしてもらったそうで、本当にありがとうございます。」

と声をかけられたことが何度もありました。

 

息子にそれを伝えても覚えてないので、おそらく母親と、母親の実家の高齢者4人の、全員が、「助けを必要としている」という状況は

小学生の息子にとっては、

世界のすべては、自分が助けてあげなくてはいけないもの

だったのだと思います。

 

甘えさせてやれなかった。

親としては、その思いが今も残っています。

 

ま、今さら、いいおっさんになった息子に、甘えさせるも何もありませんけど。

 

今夜は、息子とお嫁ちゃんに、好物のチリビーンズ、差し入れてやりましょうか、ね。

 

※別のブログで掲載していた記事を再掲載しています

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