タイパが気持ち悪いと感じる理由…急かされる時代に覚える違和感

タイパ/シニア女性と時計

「タイパ」という言葉。

便利な言葉のはずなのに、なぜか、少し疲れます。

急かされる感じ。
息を詰められる感じ。

「早く」
「効率よく」
「無駄なく」

そんな空気を、言葉そのものがまとっている気がして。

もちろん、効率化そのものを否定したいわけではありません。

でも、それでもやっぱり、「なんだか苦手」

 

そう感じてしまう人は、少なくない気がしています。

え?あなたもですか?
――もしかして同世代(笑)

でも、この違和感って、単なる“昭和気質”だけではないような気もするんですよね。

 

「タイパ」が気持ち悪いと感じる理由

「タイパ」が気持ち悪いと感じる理由。

まず一つ目は、“急かされる感じ”です。

ひと昔前、「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」という交通標語がありました。
妙に心に残っている人、意外と多いのではないでしょうか。

これ、昭和48年のことです。
確かに今よりずっと時間に余白がありました。

今の社会は、目的地へ急ぐことばかりが重視されて、道中の景色や、途中で感じることが、どんどん置き去りになっている。

そんな感覚になることがあります。

 

二つ目は、若い世代との感覚差。

若い世代が自然に「タイパ」を使っているのを見ると、時代が変わったんだな、と思うことがあります。

もちろん、効率を重視すること自体は、悪いこととは思えません。
限られた時間を大切に使いたい気持ちは、誰にでもありますよね。

 

でも、「無駄をなくす」ことばかりが正義になってしまうと、仕事終わりの飲み会や、勤務中の雑談はもちろん、友人とのおしゃべりや、ぼんやり考える時間まで、価値がないように見えてしまう。

私などは、そこに少し怖さを感じるのかもしれません。

 

そしてもう一つ。

実は、「タイパ」という言葉そのものに、違和感を覚える人もいます。

タイムパフォーマンス(Time Performance)。

 

でも、よく考えると、少し不思議な言葉なんですよね。

英語としても、かなり日本独自の表現らしくて、「そこまでして略す?」と思ってしまう人もいるそうです。

便利さのために、言葉までどんどん圧縮されていく。

そのスピード感に、息苦しさを感じる人がいても、不思議ではないのかもしれません。

 

「早い人が正しい」空気に疲れてしまう

気づけば、「早い人が優秀」という空気が、社会全体に広がりました。

「タイムイズマネー」という言葉があります。
時間はお金。

だから、より短時間で、より大きな成果を出せる人が評価される。
そんな考え方は、現代社会に深く根づいています。

 

1時間で結果を出せる人は優秀。
3時間かかる人は、要領が悪い。
もし2日も悩んでいたら、“存在価値”を疑われる。

そんな空気に、息苦しさを感じる人もいるのではないでしょうか。

でも本当に、人間って、そんなに単純なものなのかなあ――

 

最近は、「人よりAIの方が速い」と言われる場面も増えてきました。
たしかに、処理速度だけなら、AIの方が優秀なのかもしれません。

 

YURI
その考えに偏っていくと、人間よりAIの方が“偉い”みたいになりそうですね。

 

短時間で成果を出す人。
効率よく動ける人。
無駄のない人。

そういう人が、“正しい側”に置かれやすい。

逆に、ゆっくり考える人。
思いを右に左に揺らしながら、迷いながら進む人。
心を込めて考えていく人。

そういう人は、どこか“遅れている側”のように扱われてしまう。

 

でも、迷ったり、悩んだり、立ち止まったりしながら、考える。
私は、そういう“非効率”の中にこそ、人間らしさがある気がしています。

――きっと、こんな風に感じている人、少なくないと思うんです。

 

とりわけ、「誰かを思って」考えるとき。

ここに処理速度ばかりを求めるのは、なんだか違う気がします。

心を持つ人間としては、どれだけ早く結果を出したかより、どんな思いで、その時間を過ごしたかの方が、ずっと重要だったりします。

 

誰かを大切に思った時間。
悩みながらも向き合った時間。
心を込めて積み重ねた時間。

そういうものは、数字では測れません。
そもそも数字にする必要もないことです。

でも、人生の深さには、確かにつながっている。

そんな気がしています。

 

CHIKAKO
「思い」を込められるのが人間。
「思い」こそが、人間なのではないでしょうか。

 

タイパでは測れないものもある

効率ばかりを追いかける生き方には、少し違和感があります。

もちろん、速くできることは素晴らしい。
でも、人の価値って、速さだけでは決めてはいけないんじゃないかなって――。

 

私たちには、心がある。

すぐに答えが出ない日もある。
遠回りしてしまう日もある。
立ち止まって、考え込む日もある。

それでも、そういう時間の中でしか育たないものは、間違いなくあるんですよね。

 

急がないと、置いていかれる気がする時代です。

でも、少しくらい寄り道しながら、景色を見たり、誰かを思ったりできる生き方を、大切にしたいと思っています。

 

 

「時間」と「心」が、若々しさにつながっているかもしれないというお話は、こちらでしています。

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